高野圭太郎さん(クレマチス銀座)イメージビスポークの魅力に出会うスペシャルインタビュー

高野圭太郎さん|CLEMATIS GINZA(クレマチス銀座)|インタビュー

エスペランサ靴学院を経て、巻田庄蔵氏、関信義氏のもとで修行し、2008年、銀座にアトリエを構えた高野圭太郎さん。高野さんのつくる靴は、細身でモダン。エレガントで凛々しく、そして程良い艶っぽさがありながら、ヴィンテージのような風合いもあると、多面的な魅力が詰まっています。
一方、靴のつくりは、非常に緻密。
そのクオリティの高さが認められ、イタリア・フィレンツェの名門テーラー『リヴェラーノ&リヴェラーノ(LIVERANO &LIVERANO)』でも取扱われています。

そんな高野さんの工房「CLEMATIS GINZA(クレマチス銀座)」にEYELET編集部がお邪魔し、単独インタビューをさせていただきました。

「絶対に教えてもらいたい!」と思える人との出会いが人生の転機に

昔からファッションが好きで、ファッションの一つとして「靴」づくりに興味を持ち始めたのが、この世界に入るきっかけでした。エスペランサ靴学院を卒業後、学生同士が自主的に新しい教室をつくり、巻田庄蔵先生より指導をしてもらったことで、さらに靴づくりのおもしろさを感じるようになりましたね。
そして、親方・関信義氏との出会いが人生の転機だったと思います。親方には、知人を介して紹介していただいたのですけれど、会ってみると、目が凄かったです。目が生き生きとしていて、凄みを感じましたし、本当に靴が好きなんだということがヒシヒシと伝わってきて、「絶対にこの親方に教えてもらいたい!」という気持ちが高まりましたね。半年通いつめて、弟子にしてもらうことができました。
それからは技術を身につけるために、必死に手を動かしました。靴の専門学校で学んだとはいえ、実際には、車でいうと教習所で学んだというレベルだったと思います。それが、今度はF1レーサー級の技術を身につけなければならないのですから、それは大変なことでした。

高野圭太郎さんがつくるクレチマス銀座のサンプルシューズ(セミブローグ)
端正な顔立ちのセミブローグ
高野圭太郎さんがつくるクレチマス銀座のサンプルシューズ(シングルモンクストラップ)
最高級ラインのストラップシューズ

「靴は美学」その想いを大切にしながら靴づくりを続けています

靴づくりをする上で、親方の元で学んだことは、すごく生きています。
例えば、そのひとつが、「靴は美学」ということ。靴職人にとって、それは大切なことなのですが、ともすると、顧客の足に合った靴をつくりさえすれば良いと言うことになりがちです。最初は、そこから始めるにしても、つくる靴に自分の美学が反映されていないと意味がないということを教えていただきました。美しさを追求できる親方に出会えたことに、感謝しています。
その後、親方の元での修業をあがったところで、金沢の靴店「KOKON(ココン)」の注文靴を手掛けるようになりました。実は、今でもつくっています。ココンでは、10年近くオーダーが途切れたことがないくらい、仕事を出していただけました。しかも、ココンの顧客の方は、リピーターが多く、たくさん靴をつくることにより、さまざまなことを勉強させていただけましたし、腕も上げることができたと思っています。
そして、2008年に幼馴染みで鞄職人の小松直幸と二人で、「クレマチス銀座」を構えました。今ではそれぞれに店舗を展開しています。

アトリエの入口には、目を引く靴と鞄のオブジェ
アトリエの入口には、目を引く靴と鞄のオブジェ
ズラリと並ぶ美しいサンプルシューズ
ズラリと並ぶ美しいサンプルシューズ

凛々しさの感じられるキリッとした靴をつくりたい

クレマチス銀座では、オーダーサンプルを数多く並べていています。ビスポークをオーダーしていただく時にも、ハウスラストを使ってオリジナルモデルをオーダーしていただくときにも、これからつくる靴のイメージを膨らませやすくしているつもりです。
サンプルをご覧いただくと感じるかもしれませんが、僕は男っぽい靴が好きなので、男性的なデザインが多くなっています。女性用のモデルもあり、それらもどちらかというとマニッシュな雰囲気。そして、こだわっているのが、靴はファッションの一部なので、靴だけが浮いてしまわないように、ということです。いかにも新品、というようなテイストではなく、ファッションにもすぐに馴染んでいく、少し味のある古着のヴィンテージのような要素を取り入れています。例えば、写真下のアッパー素材に、リザードを使ったモデル。これは、リザードの色をわざと落として風合いを出しているモデルです。服とコーディネートして、足元だけが浮かないように、常にトータルバランスを考えて、靴をつくっています。

リザードにアンティーク加工をして独特の風合い
リザードにアンティーク加工をして独特の風合い
レディースのブーツもリザードで凛とした表情
レディースのブーツもリザードを使い、凛とした表情

顧客との信頼関係を築き、より良いものをつくれるように

オーダー靴をつくる上で、大切なのは、顧客との対話です。既成靴と違って、一足をつくるためには、お互いのことを良く知っていくことが大切だと思っています。ご購入いただいた靴については、すべて修理を受け付けていますし、長いお付き合いをしていただくことが多いです。だから、ビスポークの職人はコミュニケーションを大切にします。
顧客が緊張してしまうと、足が少し縮んでしまい、採寸に支障をきたす可能性もあります。そのため、心がけているのが、話をする中で、リラックスしていただき、早く打ち解けてもらえるようにということです。
「クレマチス銀座」では、気軽にお試しいただけるイージーオーダーから木型からオリジナルでつくるビスポークまで、幅広いラインナップをご用意していますので、お好みでご自由にオーダーを楽しんでいただけると思います。
いきなりビスポークということでなく、例えばイージーオーダーからでも徐々にお付き合いを深めていけばお互いの好みもわかってきます。顧客との信頼関係を築きながら、より良い靴をつくっていきたいですね。

緑色を基調にした落ち着いた雰囲気の店内
緑色を基調にした落ち着いた雰囲気の店内
お好みでオーダーを楽しんでほしいと、高野圭太郎さん。
新たな展開となる既製靴のサンプル
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[編集後記]

インタビューを終えて、まず感じたのは、高野さんのビスポーク職人としての確かさです。そもそもビスポークの言葉の由来というのは、「Be speak」。オーダーをするにあたって、顧客の好みやどういったイメージの靴にしたいかを話し合いながら靴をつくりあげることから名づけられたそうです。だから、ビスポーク職人は話し上手な方が多い!
人から話を伺うことを仕事にしている私も、高野さんとお話をしていると、ついつい楽しい気持ちになって、あれやこれやと話をしてしまい……。
しかし、どんな拙い質問にも快く答えてくださいましたし、しかも、否定的な言葉を使わないのですよね。これは、安心して相談できるなー、なんて思ってしまいました。そして、インタビュー後にお見送りしていただき、高野さんが着ている緑色の上着は顧客の方がつくってくださったもの、というお話を伺いました。リピーターの方が多いという話もそうですが、人との信頼関係を大切にしているお人柄が出ているエピソードですね。
新しく展開をされる既製靴も、楽しみにしています!

ビスポークの魅力に出会うスペシャルインタビュー 高野圭太郎さん(クレマチス銀座)

高野圭太郎さんプロフィール

1998年に靴専門学校のエスペランサ靴学院を経て巻田庄蔵氏、関信義氏のもとで修行。
2003年に独立。金沢の名店「KOKON(ココン)」のビスポーク部門を担当として職人の腕を磨く。
2008年に「CLEMATIS GINZA(クレマチス銀座)」を開き、型紙、木型、アッパー、底付、全ての作業を担当している。
[お問い合わせ]
クレマチス銀座
〒104-0061
東京都中央区銀座1丁目27-12 銀座渡辺ビル 2F
TEL/FAX : 03-3563-8200
E-mail :leather@clematis-ginza.com
HP : http://www.clematis-ginza.com/

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