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その常識、間違っているかもしれませんーーソレダメ!革靴のメンテナンス (3)修理編

自己流の処理をして取り返しのつかない状態にしないように。

今回で、連載後半となるみんなの革靴プロジェクト「ソレダメ!革靴のメンテナンス」編。

この連載目的は、革靴のお手入れを強化したい秋に、改めて正しいメンテナンス方法を学ぶこと。

お手入れ、クリーニング、保管方法に続いて、今回は修理についてやってはいけないケースについて触れていきます。

このプロジェクトの講師を担当してくれるのは、アイレット読者にお馴染みのシューズサロン&リペア<リファーレ>小澤祥一さんです。

ソレダメ!革靴のメンテナンス 修理編 見出し
ソレダメ!革靴のメンテナンス 修理編 吹き出し1
ソレダメ!革靴のメンテナンス 修理編 吹き出し2

「靴がこわれた!」という状態として、真っ先に頭に浮かぶのがソールの剥がれ。誰しも一度は経験したことがあるかもしれません。
このソールの剥がれは、歩ているときに突然起こるように感じがちですが、高温多湿や雨などにより徐々にソールが傷んでくることで起こる現象です。
ソールが剥がれてしまうと、歩行が困難になるため、この現象が起こると精神的なダメージが大きく、早く元の状態に戻したいと思うもの。
そのため、家にある強力な接着剤を使って、自己流で直そうと試みる方がいらっしゃいます。
でも、実は接着剤には相性があり、もともと使われていた接着剤というのは、その靴に最も適したものが使われています。
ゆえに、壊れたからといって、知らず知らずに接着相性が悪い接着剤を使ってしまうと、より一層状況を悪くしてしまいがち。
元々使われていた接着剤のレシピにたどり着くのは難しいので、一旦くっついたようでも、また剥がれは起こりうると思っておいてください。

知っておこう
ソール剥がれの起きる原因

アウトソールが剥がれる靴は、ほとんどがセメンテッド製法の靴です。
アウトソールにレザーが使われている靴はマッケイやグッドイヤー製法でつくられていて縫いがかかっているため、アウトソールの剥がれというと、ラバーソールが使われているという印象があると思います。
でも、実は剥がれが起きるのは、靴と使われている接着剤との相性の問題で、相性が悪いと剥がれてしまいます。

また、剥がれやすいのは、テンションがかかりやすい、ボールジョイントやウエストまわり。この部分は可動域が多いので、ここが剥がれると連鎖的に剥がれていきます。そして、かかとやトゥ部分が剥がれるのは、つまづきなどの強い衝撃等が原因です。

剥がれが起こる原因は、前述した高温多湿や雨などによる傷みによるものや、長い間履かないことによる劣化が考えられます。

そのため、ソール剥がれを防ぐための手段としては、一度靴を履き下ろしたら、継続的に履き続けること。

もし、剥がれてしまったら、接着相性の良い接着剤を選び処理する必要がありますので、ご自分で判断せず、修理のプロにお任せしてみてください。
ただ、最も接着相性が良いと判断された接着剤を使っても、一度剥がれてしまった靴は、また剥がれる可能性があります。

愛着のある靴が剥がれてしまった場合は、「接着」にこだわらず、縫いをかけて剥がれを防ぐなど、違う方法を検討するのも手だと思います。

ソレダメ!革靴のメンテナンス ソレダメ!ポイント

 

接着相性を知らないまま、強力な接着剤を使うと悲劇に!

前述した通り、シューメーカーでは、元々靴をつくる際に、最も接着相性の良い接着剤を使用して底材を接着させています。この相性の良い接着剤のレシピをメーカーであれば知っているはず。
ただ、純正の修理を受け付けているシューメーカーは多くありません。そのため、再接着させるとしても、どのような接着剤が良いのかを類推して、選ばなければなりません。
そして、剥がれた靴底を見ていただくとおわかりになると思いますが、以前に付いていた接着剤が硬化した状態でこびりついていませんか?
それは下の図のような状態です。固まってしまった接着剤を取らずに新しい接着剤を使っても、なかなか元通りにはなりにくいものです。
特にレザーは、繊維質のため、接着剤が深く浸透してしまいます。
強力な接着剤を付けると、硬化するだけでなく、その接着剤を取り除くことは困難。
元通りに修理するのは無理という悲劇を招く原因になってしまうかもしれません。

ソレダメ!革靴のメンテナンス 修理編 ソール剥がれの原因図
剥がれた靴底を再接着すると、こんな状態になります。
ソレダメ!革靴のメンテナンス 修理編イメージ 接着剤の使用例
革に瞬間接着剤を塗布すると、浸透して硬化してしまいます。

次回の第4回は、フィティングトラブルについてです。

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講師ご紹介

シューズサロン&リペア<リファーレ>
小澤祥一さん

おざわ・しょういち/リファーレ恵比寿店・店長。埼玉県川越市出身。高校2年の時に、イギリスへ短期留学。ジャーミンストリートで靴の魅力にはまり、靴の専門学校へ進学。そこでは、一から靴づくりを学ぶかたわら、マーケティングや整形靴についてなど、広く知識を吸収した。在学中に友人の靴を修理したことがきっかけで修理に興味を持ち、修理と販売に携われるリファーレに就職。
その後、9年間、技術とコミュニケーション力を磨き続けている。

みんなの革靴プロジェクト連載第5回スポンジソール編プロフィール欄イメージ
 
スタッフインタビュー<リファーレ>イメージ08

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