靴職人・高野圭太郎さんが主宰する<クレマチス銀座>。以前、アイレットでご紹介したように、ハンドメイドでオーダー靴を誂えるシューズブランドです。
これまで、4つのラインで展開してきた<クレマチス銀座>に、5つ目のラインが加わりました。 それが、今回ご紹介するマシンメイドの既製ラインです。
これまでのラインは、(1)クレマチス銀座のオリジナルティが光る「レッドライン」、(2)ハウスラストが採用され多様なモデルが揃う「オリジナルライン」、(3)クールビズに最適なスリッポンが揃うイージーオーダー・シューズの「セカンドライン」、(4)クラシックなデザインの「レディースライン」。
いずれも高野さんが型紙、木型、アッパー、底付、全ての作業を担当しています。
これに対して、今回登場するのは、浅草のとある工場でつくられるファクトリーメイドの既製ラインです。
今回、アイレット編集部が再びクレマチス銀座のアトリエにお邪魔し、ハンドメイドの雰囲気を醸し出す新しい靴々についてお話を聞かせていただきました。
手製の雰囲気が宿る靴ができたと自負しています
それも、これまでのビスポークの経験をもとに、木型づくりをし、生産をお願いした「JOE WORKS(ジョーワークス)」と二人三脚でつくりあげることができたからです。クレマチスならではのこだわりに、遊び心を加えました。ぜひ、お気軽に試していただきたいですね。」と高野さん。
それでは、お待たせしました。新しい既製のコレクションを一挙公開させていただきます。
どの靴にも、高野さんの靴らしいエレガントさや艶っぽさがつまっています。 これらはすべて同じ木型でつくられていて、その特徴は、ほっそりした見た目をしながらも、なかはゆったりとしていること。ある程度どのような足の方でもフィットするように、踵の土台部分を大ぶりに、上の部分を細目につくっているそうです。試してみると、フィット感の良さを感じる木型です。 さらに、これらのモデルでパターンオーダーもできます。
Collection.1 チャッカブーツ
シンプルなチャッカブーツです。ただ、サイド部分の写真をご覧いただくとわかるように、曲線のステッチが入っています。スマートななかにも優しい雰囲気が醸し出されているクレマチスらしい靴です。
Collection.2 セミブローグ&パンチドキャップトゥ
風格を感じる「セミブローグ」と「パンチドキャップトゥ」です。ただし、いずれもドレスすぎずに、カジュアルさを感じるアクセントをつけています。
Collection.3 プレーントゥ
素材によって、表情が変わるプレーントゥ。トゥ部分の装飾はありませんが、レースステイやサイド部分にパーフォレーションが入っています。サイドから見ると、前方から後方への流れを感じるような1足です。
こだわりPOINT 次に、新しいコレクションに共通するこだわりについてご紹介します。
いかがでしたか。遊び心満載ですよね。
今回のコレクションでは、女性の目から見て、靴がどう見えるかも考慮して、デザインされたそうです。手染をしている靴紐の「ブルーミングレース」は絶妙なネーミングですし、華やかさが加わりますよね。女子からツッコミ(もちろん、良い意味の)が入る確率はかなり高いと思います。
とはいえ、「これらの靴の特徴は?」と聞かれたら、高野さんの靴らしい「凛々しさ」と答えると思います。
靴紐はもちろん良いアクセントになりますが、甘くなりすぎていません。いわば、甘辛ミックスと言うか、甘さを際立たせるための塩のようなと言うか、要は靴の凛々しさを引き立てるディテールになっている気がしますね。
ちなみに、今回ご紹介した既製品のコレクションは、11月にフィッティングサンプルが揃い、クレマチス銀座で、本格的に発売される予定です。そして、それに加え、翌年2月から、伊勢丹新宿店メンズ館でも取扱い予定!価格は、このクオリティで8~9万円程度での展開となるそうなので、クレマチス銀座のエントリーモデルとしても、注目ですね。
高野圭太郎さんプロフィール
1998年に靴専門学校のエスペランサ靴学院を経て巻田庄蔵氏、関信義氏のもとで修行。 2003年に独立。金沢の名店「KOKON(ココン)」のビスポーク部門を担当して職人の腕を磨く。 2008年に「CLEMATIS GINZA(クレマチス銀座)」を開き、型紙、木型、アッパー、底付、全ての作業を担当している。