コロンブス社内に6人しかいない シューシャイニスト三橋弘明氏にマイスターの手技を学ぶ
靴用品メーカー<コロンブス>の松戸FACTORY見学レポートです。
こだわりのものづくりについてレポートした第1弾に引き続き、今回の第2弾は、同社に6人しかいないシューシャイニストのひとり、三橋弘明氏より伝授していただいたお手入れの基本についてレポートします。
<コロンブス>の「磨きのプロ達」が創り上げたプレミアムシューケアラインの「Boot Black(ブートブラック)」シリーズを使ったお手入れを教えていただきました。
使用したケアアイテム




基本のお手入れ+ハイシャインにトライ!

まずはシューブラシ馬毛で汚れを落とします。コバについた汚れもしっかりと落としておきましょう。

クロスにレザーローションを取って、表面をこすらずに、なでるように汚れを拭き取ります。クロスに汚れが付いたまま、使い続けるのはNG。クロスの清潔な部分を使いましょう。

少量(コーヒー豆一粒程度)のシュークリームをミニブラシに取り、ムラなくクリームを伸ばします。クリームは靴に栄養を与えてくれますが、一度にクリームをつけすぎないように注意しましょう。

毛先の固いシューブラシ豚毛を使ってSTEP3で塗り込んだクリームを浸透させていきます。革の内部に練りこむようにブラッシングしましょう。

基本のお手入れの最後は、乾拭きです。柔らかい繊維をつかって、さっと乾拭きをします。ここでは乾拭き用グローブを使って、靴に残ったクリームを拭き取ります。気を付けたいのは、乾拭きで靴の艶を出すのではないということ。艶や光沢はブラッシィングで出すように心がけましょう。

ハイシャインベースを多めに取り、つま先に塗り込んで、1-2分時間を置きます。その後、ポリッシュウォーターで軽く湿らせた布でつま先を磨き、下地をつくります。 そして、ハイシャイン ベースでつくった下地の上にハイシャインコートを塗ります。ハイシャインコートとポリッシュウォーターをバランスよく混ぜると、光沢が出ます。
コロンブスのプレミアムシューケアライン「Boot Black」は酸化の遅い天然のホホバオイルやカルナバワックスなどを使っているのが特徴です。
また、基本的なお手入れをするアイテムに加え、コバのお手入れなど専用部分に特化したアイテムもあるので、お好みに応じてお選びいただくと効率よくお手入れをしていただけると思います。
特に、一般的に難しいといわれているハイシャイン専用のアイテムは、ヨーロッパでも評判の高い製品のひとつです。
革の毛穴を埋めて表面を均一化するためにつくられた油性のハイシャインベースと、塗膜をつくる乳化性のハイシャインコートを使えば、比較的簡単に透明感のある薄い皮膜をつくることができます。
シューポリッシュ(ワックス)を使ったハイシャインは、薄くワックスを重ねて何層にも塗膜をつくっていくなど、時間をかければ誰しもできるものですが、靴のお手入れにそれほど時間がかけられないという方にも、おすすめできるアイテムだと思います。

シューシャイニストの三橋氏に片方の靴を磨いていただきました

左が三橋氏による磨き、右が編集部による磨き。 差は歴然ですが、編集部もなんとかトゥ部分を光らせることができました
お話を聞いたのはこの人!
コロンブスシューシャイニスト 三橋弘明さん
有名婦人靴ブランド、靴専門商社、高級紳士靴専門店、大手百貨店紳士靴売り場勤務をするかたわら、靴の磨きや仕上げを独学で学びその成果が認められ販促活動などに採用される。
2012 年に 株式会社コロンブス入社。シューシャイニストとして靴のカスタマイズを担当。 なんと、スエードなどの起毛素材でさえ、輝かせることができるというコロンブス随一のシューシャイニスト。

今回レクチャーをしていただいた三橋氏をはじめ、コロンブスにはシューケアのスペシャリストが数多く在籍しています。そして、そんなシューケアのプロのみなさんに相談できる「シューケアイベント」が日本各地で開催されているのをご存知ですか。ぜひ、シューケアのお悩みをスペシャリストの方々に直接相談できるチャンスを利用してみてくださいね。きっと、靴のお手入れが、もっと楽しくなるはずです。
次回の松戸FACTORY見学レポート最終回は、Vol.3 「世界で評価されるジャパンメイドの誇り編」です。