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<世界長ユニオン>工場見学レポート Vol.1ブランドの中枢を担う企画・開発部門

たゆまぬ探求心・向上心が原動力!
日本人の足型をベースにした確かな靴づくりを続ける
1952年創業の老舗シューメーカー<世界長ユニオン>

<ユニオン・インペリアル(Union Imperial)><マレリ―(Marelli)><ソフィス & ソリッド(Soffice &Solid)>。靴好きにお馴染みのこれらのブランドはいずれも今回工場を見学させていただいた世界長ユニオンが手がけるブランドです。

これらの靴を思い起こしてみてください。いずれの靴もエレガントさと、しなやかで柔らかな履き心地を兼ね備えている、というイメージが浮かんできますよね。

世界長ユニオンは、1952年に東京・葛飾区で創業した「ユニオン製靴」を淵源とした老舗シューメーカー。そして、ユニオン・ロイヤルは、’60年に日本初のイタリアン・マッケイ製法を導入した会社として知られています。

創業当時から大切にしているのは、「世界に誇る靴づくり」をするという想いです。

この想いを具現化するために、新しい技術、機械、素材などを積極的に導入してきました。
この伝統は創業60年以上経た今も息づいています。

今回のレポートでは2回にわけて、探求心・向上心に基づく伝統的な世界長ユニオンの靴づくりについてご紹介したいと思います。

1回目となる今回の記事は、靴づくりの中枢とも言える企画・開発部門についてです。

靴の設計を支えるプロフェッショナル

世界長ユニオンの要となる生産工程を受け持ち、高級既製靴を生産している千葉工場には、企画・開発部門を担う担当者が約11人在籍しています。
さらに、今回工場をご案内してくださった本社企画部に籍を置く企画担当の小田哲史さんが連携し、チーム一丸で靴の設計にあたっています。

世界長ユニオン工場見学レポートVol.01開発部門イメージ
<世界長ユニオン>の中枢とも言える企画・開発部門
靴が量産されるまでの流れ
 
世界長ユニオン工場見学レポートVol.01企画・開発フロー1アイデア出し
世界長ユニオン工場見学レポートVol.01企画・開発フロー2

高い技術力・開発力で、話題を呼ぶ靴づくり

さまざまな靴を拝見してきたなかで、世界長ユニオンが手がける紳士靴は、その時々の琴線に触れるものがあったと思います。
例えば、トレーディングポストと共同開発のブランド<ソフィス&ソリッド>の1枚革からつくられたホールカットのサイドレース。この唯一無二とも言える、靴をつくるのには、とてつもない創意工夫が必要だったはずです。

世界長ユニオン工場見学レポートVol.01話題の靴 ソフィス&ソリッド ホールカットワンピースイメージ
トレーディングポスト30周年記念パーティーで展示されていた<ソフィス&ソリッド>1枚革のサイドレース
世界長ユニオン工場見学レポートVol.01話題の靴 ソフィス&ソリッド新作
現在開発中の<ソフィス&ソリッド>新作エラスティックシューズ

また、今年立ち上げした三越伊勢丹の新ブランド<SEKI to WA(セキトワ=積と和)>も話題です。なんと、国選定無形文化財である徳島県の阿波藍を用いた天然本藍染革<スクモレザー>をアッパー素材として採用。<ユニオン・インペリアル>ブランドで、独特のムラ感を生かした味のあるプレミアムシューズを提案しています。

世界長ユニオン工場見学レポートVol.01話題の靴<セキトワ>サンプルイメージ
今回の工場見学で拝見したユニオン・インペリアル<セキトワ>サンプルシューズ
世界長ユニオン工場見学レポートVol.01話題の靴<セキトワ>展示会イメージ
2016SS ISETAN MEN’S PRESS PRESENTATIONで展示されていたユニオン・インペリアル<セキトワ>

さらには、トレーディングポストで展開中のモデルにも注目。このモデルには、世界長ユニオンのこだわりがたくさん詰まっています。
 まずは、木型。これまでの木型も日本人の足型を研究し尽くした上でつくられてきたわけですが、今回採用された新設計の木型では、「フィット感」と「楽さ」を両立し、履きやすさを追求しています。これにプラスして、撥水性の高い「ウォータープルーフレザー」を開発し、雨の日にも履けるという機能性も兼ね備えました。

世界長ユニオン工場見学レポートVol.01話題の靴 トレーディングポスト究極のラバーソール
日本人の足からストレスを軽減してくれる新木型
<トレーディングポスト>2016SSプレス展示会イメージ12ユニオン・インペリアル
アウトソールにラバーを採用するなど実用性も重視

最後にご紹介するのは、特別な<ユニオン・インペリアル>KAMAGAYA Specialです。この靴は、昨年の秋にイセタンメンズで開催された革靴の祭典「JAPAN靴博’15」のために開発されたもの。「スキンステッチトルネード」という特別なステッチがエプロン部分に施されています。アッパー素材には、希少な南アフリカ原産の「KUDU」を用い、JAPAN靴博でひときわ人目を惹いていました。
この靴を発案し、つくりあげたのが開発部門の長谷川信一さん(写真下)。スキンステッチを施した後に、糸をギュッと絞り2度目のスキンステッチをかけて、1枚革の表面に隆起をつくる超絶技巧「スキンステッチトルネード」を生み出しました。
超絶技巧ゆえに、この仕様を実現するのは時間がかかり、量産は難しいものの、こういった創造性豊かな靴を生み出せるのは、世界長ユニオンの技術力・開発力・底力ゆえだと実感しましたね。

世界長ユニオン工場見学レポートVol.01話題の靴 トルネードスキンステッチ考案者長谷川さん
スキンステッチトルネードの生みの親・開発部門の長谷川信一さん。スキンステッチの応用編とも言えるこの技術を考案し、実現させました
世界長ユニオン工場見学レポートVol.01トルネードスキンステッチサンプルイメージ
最初のサンプル作成からスキンステッチトルネードに成功。とは言え、施すだけでも1日かかるほど、慎重な手作業が求められます
伊勢丹新宿店「JAPAN靴博」イメージ05
「JAPAN靴博’15」でお披露目されたKAMAGAYA Special
伊勢丹新宿店「JAPAN靴博」イメージ06
KUDUの素材感と相まって、迫力満点のスキンステッチトルネード

ご紹介した靴はそれぞれタイプが異なり、幅広い要望に応えられる世界長ユニオンの技術力の高さがお分かりいただけると思います。
もちろんそれは、今回ご紹介した企画・開発部門の力だけではありません。
次回は、企画・開発部門で考案した仕様の靴を実際に量産する生産現場についてレポートさせていただきます!

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