<開催期日>
2018年10月6日(土)・7日(日) 各日午前11時~午後6時
<開催場所>
大阪高島屋 2階紳士靴売場
<開催概要>
ご愛用のレザーアイテムを永くお使いいただけるように、プロがメンテナンスの方法をアドバイスしてくれるコンサルティング販売会です。
<写真・情報出典>
「この世にふたつとないもの、一生大切にしたいもの、スタイルに自信をくれるもの。
“ONE OF A KIND”自分だけの価値あるひと品を探して。」をコンセプトに、2017年9月13日(水)~18日(月・祝)の期間中開催されていた「TOKYO MEN’S FES 2017 @ISETAN」。
以前の記事「今年もあの祭典がやってくる!!「TOKYO MEN’S FES 2017 @ISETAN」本日より開催」でもお伝えしたように、今回で2回目の開催となったイベントです。
このイベントでは、『伊勢丹新宿店』のバイヤーが世界中から集めた別注や限定のアイテム、いわゆるここでしか手に入れることができないモノが並び、スペシャル感を味わえるのが特徴。
そして、カラリングのワークショップや、クリエイターの私物を出店する掘り出しもの市なども開かれました。
今回、開催4日目となる16日(土)にアイレット編集部が靴好き注目のシューメーカーズカウンターコーナーを取材させていただけたので、写真を中心にレポートさせていただきます。
このイベントにご参加した方もご参加できなかった方も、その時の「熱気」を感じてください!!
<Boot Black|ブートブラック>などの日本発シューケア用品を展開している「コロンブス」からは、アイレットでもお馴染み、カラリストの三橋弘明さんが参加。
三橋さんは、磨きの技術もさることながら、厚い知識も兼ね備えている日本を代表するカラリストのお一人です。
相変わらず、無駄のない立ち振る舞いを拝見することができました。
<サフィール>ブースでは、東京・東池袋で「シューズバー」を営むシューシャインアーティストの高林巌さんが技を披露されました。
シューズバーは、靴磨きとお酒を同時に楽しめるユニークなお店です。
某百貨店退職後、靴磨きをはじめたという高林さんの軽快なトークと艶のある磨きで、夜な夜な靴好きが集まっているそう。
このメンズフェスでは、シューズバーのお客さまもいらしていました。
<M.MOWBRAY|M.モゥブレィ>などを扱うシューケア専門商社「R&D|アール・アンド・ディー」からは、シューケアマイスターの柴崎祐一さんが参戦。
柴崎さんは、RTPシューケアティーチング専任講師でもあり、さまざまな方にシューケアの講習を行っているプロフェッショナルです。
今回のイベントでは、<M・モゥブレイ>シュークリームを使う「ベーシックケア」、<ENGLISH GUILD|イングリッシュギルド>ビーズリッチクリームを使う「プレミアムケア」、<M・モゥブレイ>プレステージ クリームナチュラーレを使う「ナチュラルケア」などのコースが用意されていました。
<アール・アンド・ディー>が展開するシューケア用品は種類も豊富なので、シューケアマイスターの方に直接相談して、適切なお手入れを教えてもらうのがおすすめです。
2007年にアメリカ・ロサンゼルスで設立されたシューアクセサリーブランド<JASON MARKK|ジェイソン・マーク>。
<ジェイソン・マーク>の「PREMIUM SHOE CLEANER|プレミアムシュークリーナー」は手軽さと洗浄力の高さで、世界中のスニーカーLOVERから高い支持を集めています。
また、パッケージがスタイリッシュなこともあり、革靴LOVERのみなさんも、気になっているシューケアアイテムだと思います。
今回のメンズフェスでは、本場ロサンゼルスでスニーカーケアのトレーニングを受けたスニーカーケアテクニシャンの山口隆行さんが無料でスニーカーケアを提供してくれていました。
<+SOLE|アディショナルソール>は、靴職人の木田浩史さんが革靴のリペア手法を用いて、スニーカーのソールを張り替えるプロジェクト。
これまでも、革靴はオールソール交換などリペアが可能でしたが、スニーカーというと履きつぶすものという常識を覆すスニーカーのオールソール交換のサービスを提供しています。
こうしたサービスが展開できるのは、木田さんがエスペランサ靴学院で製靴について学び、自身のシューズブランド「Hiroshi Kida」を展開しているから。
リペアされたスニーカーは、新たな息吹が吹き込まれ、オリジナルとは異なる魅力を放っているように感じました。
これらのブースを取材させていただき、シューケアやリペアなど、モノを大切にしながら使い続ける知恵や最新技術を体感できたように思えます。
今後は、これまでの自分の経験で「これ以上使えないと」判断するのはNGかも。
プロフェッショナルに相談すれば、まだまだ履ける、そんな可能性もあるな、と実感させていただきました。
最後に、<クロケット&ジョーンズ>コーナーで特別なモデルを拝見させていただきましたので、ご紹介します。
<クロケット&ジョーンズ>コーナーでは、ファクトリーで使用されていた木型などが展示され、まるで本国のショップにいるような雰囲気。
そして、このイベントの告知記事でもご紹介した通り、今回のフェスに合わせて企画されたスペシャルモデル“Lofer5Brothers”が登場していました。
ご紹介したコーナーのほか、日本を代表するカラリスト<Fg-trente|エフジー・トラント>の藤澤 宣彰さんによるコースター染色体験なども開催され、ついつい体験してしまいました。
やはり、自分の手を動かして作った物は愛着が湧きますね!!
とても、楽しいイベントでした。
2016年9月20日(火)~25日(日)の期間中に伊勢丹新宿店で開催されていた「TOKYO MEN’S FES 2016」。
開催4日目となる24日(土)にアイレット編集部がお邪魔してまいりました。
このTOKYO MEN’S FES 2016のテーマは、「男である100の幸福。」。
これまでのイベントが、ターゲットにフォーカスして開催されていた傾向にあるのに対して、TOKYO MEN’S FES 2016では「幸福」というキーワード・視点でイベントやワークショップ、限定品などを揃えている点が特徴です。
そのなかでも、靴好きの注目は、シューケアのことなら、なんでもござれの「シューケアアーケード」。
このアーケードには、日替わりで日本屈指の靴磨き職人たちが集結し、プロの技を体感できる「磨きのゾーン」の他、磨きの知識を得られる「学びのゾーン」など、シューケアに関するモノ・コトが集められていました。
アイレット編集部がお伺いした9月24日(土)には、伝説の靴磨き職人・井上源太郎さん(通称:源さん)がいらっしゃるとあって、このシューケアアーケードに注目が集中!?
それでは、写真を中心に当日の様子をお伝えいたします。
シューケアアーケードには、ズラッと4ブースが並び、靴磨き職人の共演とも言えるステージを拝見することができました。
磨き方はそれぞれですが、みなさん「魅せる」技を心得ていらっしゃるように思います。
また、こうしたブースでご自身の靴を磨いていただけるので、革靴LOVERのご来場者の方々は、職人さんの磨きの技術とともに靴にまつわる会話を存分に楽しんでいらっしゃいましたね。
またとない機会なので、かぶりつきで源さんの磨きを拝見させていただきました。
源さんは、ベルルッティのカラリストを務めるだけでなく、世界の著名人の靴を磨き続けてきた誰もが認める日本最高峰の靴磨き職人です。
齢70歳を超えた今も、東京・虎ノ門に位置するホテルオークラ東京内にシューシャインの店を構えています。
靴磨きの第一人者として尊敬を集める伝説の職人です。
まず、磨きを拝見させていただいて、驚いたのが家庭にある「アレ」が活用されていること。
アレとは、「ティッシュペーパー」です。
コバなどブラシでなければ届かないところを除いては、ティッシュペーパーを使って乳化性クリームを入れていらっしゃいました。
ティッシュペーパーを使う理由は、革の表面を傷めないためだそう。汚れやほこりもティッシュペーパーで軽く払うと、手早くお手入れができますね。
そして、ワックス。
ワックスには、綿100%のシーツを使うのが良いと教えてくださいました。
そのシーツを水で適度に湿らせた上で、ワックスを乗せ、靴全体を磨いていきます。
すると、ほど良い光沢が生まれていきました!
実は、アイレット編集部が見せていただいたのは、プロの方に磨いていただくのは初めてというご来場者の靴磨きでした。
初めて磨いていただく方が源さんだということで、周囲からはなんて「ラッキーな……」という羨望の声が聞こえてきましたね。
今回、源さんの磨きを見せていただいて感じたのは、その技術もさることながら、気さくなお人柄とそのトーク力です。
身振り・手振りを交えながら、磨き方を教えてくださるだけでなく、「靴を小まめに手入れする必要はないよ。今自分が履いている靴なんて、しばらく磨いてないし。汚れたら手入れをすればいいだけ。」などと、靴磨きの敷居を低くしてくれるような話をしてくださっていました。
そして、靴磨き職人の後輩の方には、飾らずアドバイスを送る姿が印象的でした。
そして、最後に、靴好きのアイレット読者に向けて源さんよりメッセージをいただきました。
「靴をキレイにしていれば、丁寧に履こうとする。靴を汚れたままにしておくと、雑に履くようになってしまうよ!」
モノに対する気持ちが靴自体に現れてしまうのだな、と改めて感じましたね。
革靴好きを幸福な気持ちにさせてくれるイベント・TOKYO MEN’S FES 2016は、終了してしまいましたが、10月は革靴イベントが目白押しです。
ぜひ、革靴職人や磨き職人の方と直接お話しできる絶好の機会に足を運んでみてはいかがですか。
<コロンブス>は1919年に創業の国内No.1靴クリームメーカーです。
その社名は、もちろん大航海時代の探検家・航海者「クリストファー・コロンブス」のパイオニア精神にちなんで名づけられました。
創業以来、日本では、シューケア文化のパイオニアとして、「靴にまつわる文化を豊かにする」をテーマに活動の幅を拡げ、さらに、近年はプレミアムシューケアラインの「Boot Black(ブートブラック)」を軸に、海外進出を果たしています。
特に、ヨーロッパでの評価が高く、世界最大級のメンズファッション展示会「Pitti Uomo(ピッティウオモ)」の出展などを通して、ジャパンメイドの靴クリームへの信頼や期待を感じるそうです。
靴文化が発達してきたヨーロッパでコロンブス製品の評価が高まっている要因を分析してみました。
メンズファッション展示会「Pitti Uomo」の<コロンブス>ブース 写真提供:コロンブスシューシャイニストFacebookページ
工場見学第1回レポート「これぞ、ジャパンメイドのこだわり靴クリームづくり編」でお伝えした通り、コロンブスの製品にはこだわりがたくさん詰まっています。
そして、品質へのこだわりとともに感じるのが、人の心に訴えるような心遣いだと、お伝えしました。まさにこれらがコロンブス製品躍進の要因のひとつです。
実は、海外進出の足掛かりとなったエピソードがあります。それは、コロンブス2代目社長が靴クリームを北海道の代理店に持って行ったことがきっかけでした。
極寒の北海道で、靴クリームが凍ってしまい、解凍してみてもワックスと油が分離してしまったそうです。
それ以来、10年以上をかけて寒さに強い靴クリームを開発。
そのクリームが寒さの厳しいヨーロッパ各地で評判となりました。
この靴クリームへのたゆまぬ探求心が<コロンブス>躍進の原動力だとも言えます。
現在では、プレミアムシューケアラインの「Boot Black(ブートブラック)」の人気が高まっています。
ヨーロッパにもシューケアアイテムはたくさんあるものの、その使い方の発信を活発にしているメーカーは少なく、ユーザーがそれぞれ独自の方法でケアをしています。
しかし、ただ、製品があるだけでは、なかなかそのクリームの使い方や良さは伝わらないものです。
そこで、コロンブスでは、靴クリームの使い方も含め、その製品を使うメリットやデメリットなどの情報を丁寧に発信しています。
そのことが製品購入後もしっかりとフォローしてくれるという安心感につながり、名だたるシューメーカーをはじめ、高級メゾンがコロンブス製品を取扱うきっかけになっているようです。
ジャパンメイドのきめ細かい仕事、そしてその品質が世界で信頼と驚きを生んでいます。
[編集後記]
3回にわたってお伝えしてきた<コロンブス>松戸FACTORY見学レポートいかがでしたでしょうか。
自分の目で実際にものづくりの現場を見せていただけると、その製品がどれだけのこだわりを持って生み出されるかが良くわかり、製品に対する愛着が高まります。
今回、工場見学に加え、2015年2月27日にテレビ大阪系で放送された『和風総本家』2時間SPの「世界で見つけたMade in Japan」を拝見させていただきました。
その中では、<コロンブス>の靴クリームづくりや、ドイツの靴店「コンラッド ハッセルバッハ」でその靴クリームが使われている様子が伝えられています。そこで印象に残ったのが、ものにこめている想いや心が、海を越えて伝わっているということ。
ドイツの靴店「コンラッド ハッセルバッハ」のオーナーが、日々使用している<コロンブス>製品の良さを語った後、私たちが今回見学させていただいたような靴クリームの製造工程を伝える映像をみて、そのこだわりに改めて触れることで、さらにクリームへの信頼を高めていました。
靴はもちろん、そのお手入れをする靴クリームも大切に使いたいなと、強く思った今回の工場見学でした。
このような機会をいただけて、感謝しています。
伊勢丹新宿店メンズ館にて、2015年11月10日まで開催予定の『JAPAN靴博』。
このイベントに出品されている商品のなかで、異色かつアイレット編集部が注目している品があります。
それは、靴ではなく、なんと、「メイドトゥオーダーシュークリーム」!!
アイレットでも取材レポートをさせていただいた、あの、国内ナンバーワンの靴クリームメーカー<コロンブス>が、自分だけのクリームをつくってくれるのです。
先日、<コロンブス>の松戸FACTORYを見学させていただき、靴クリームの製造工程を知っている身としては、「なんてスペシャルすぎる夢のような企画なんだろう」と、かぶりつきで聞き込み、そしてオーダーをしてしまいました!!
まず、色選びの工程から説明すると、なんと、DICカラーガイドのなかから好きな色を選びます。
なんと千以上のカラーバリエーションから1色を選ぶことになるとか。
ちなみに、DICカラーガイドというのは、印刷やデザイン関係のお仕事に就いている方にはお馴染みの色見本帳。
カラーコーディネーターの私としては、このDICのチップをみるだけで、心が躍ります。
とは言え、色を選ぶ際に、まさかDICのカラーガイドを渡されるとは想定外で、その場では決めきれずに、申込みを済ませて、色の選択は持ち帰りにしてあります。
また、この商品がスペシャルなのは、選択できるカラーのバリエーションだけではありません。
ボトルキャップに自分の名前を入れてもらえるそうなんです!!
しかも、2個セットで5,000円(税抜)。
これなら、手ごろだし、プレゼントにしても良いですよね。
この商品は限定30個だそう。
アイレット編集部がオーダーした10月31日(土)時点では、まだ限定数に達していませんでした。
興味のある方は、チェックしてみてくださいね!!
【期 間】 2015年10月28日(水)~11月10日(火)
【場 所】 伊勢丹新宿店メンズ館地下1階 紳士靴売場
靴用品メーカー<コロンブス>の松戸FACTORY見学レポートです。
こだわりのものづくりについてレポートした第1弾に引き続き、今回の第2弾は、同社に6人しかいないシューシャイニストのひとり、三橋弘明氏より伝授していただいたお手入れの基本についてレポートします。
<コロンブス>の「磨きのプロ達」が創り上げたプレミアムシューケアラインの「Boot Black(ブートブラック)」シリーズを使ったお手入れを教えていただきました。
使用したケアアイテム
基本のお手入れ+ハイシャインにトライ!
まずはシューブラシ馬毛で汚れを落とします。コバについた汚れもしっかりと落としておきましょう。
クロスにレザーローションを取って、表面をこすらずに、なでるように汚れを拭き取ります。クロスに汚れが付いたまま、使い続けるのはNG。クロスの清潔な部分を使いましょう。
少量(コーヒー豆一粒程度)のシュークリームをミニブラシに取り、ムラなくクリームを伸ばします。クリームは靴に栄養を与えてくれますが、一度にクリームをつけすぎないように注意しましょう。
毛先の固いシューブラシ豚毛を使ってSTEP3で塗り込んだクリームを浸透させていきます。革の内部に練りこむようにブラッシングしましょう。
基本のお手入れの最後は、乾拭きです。柔らかい繊維をつかって、さっと乾拭きをします。ここでは乾拭き用グローブを使って、靴に残ったクリームを拭き取ります。気を付けたいのは、乾拭きで靴の艶を出すのではないということ。艶や光沢はブラッシィングで出すように心がけましょう。
ハイシャインベースを多めに取り、つま先に塗り込んで、1-2分時間を置きます。その後、ポリッシュウォーターで軽く湿らせた布でつま先を磨き、下地をつくります。 そして、ハイシャイン ベースでつくった下地の上にハイシャインコートを塗ります。ハイシャインコートとポリッシュウォーターをバランスよく混ぜると、光沢が出ます。
コロンブスのプレミアムシューケアライン「Boot Black」は酸化の遅い天然のホホバオイルやカルナバワックスなどを使っているのが特徴です。
また、基本的なお手入れをするアイテムに加え、コバのお手入れなど専用部分に特化したアイテムもあるので、お好みに応じてお選びいただくと効率よくお手入れをしていただけると思います。
特に、一般的に難しいといわれているハイシャイン専用のアイテムは、ヨーロッパでも評判の高い製品のひとつです。
革の毛穴を埋めて表面を均一化するためにつくられた油性のハイシャインベースと、塗膜をつくる乳化性のハイシャインコートを使えば、比較的簡単に透明感のある薄い皮膜をつくることができます。
シューポリッシュ(ワックス)を使ったハイシャインは、薄くワックスを重ねて何層にも塗膜をつくっていくなど、時間をかければ誰しもできるものですが、靴のお手入れにそれほど時間がかけられないという方にも、おすすめできるアイテムだと思います。
シューシャイニストの三橋氏に片方の靴を磨いていただきました
左が三橋氏による磨き、右が編集部による磨き。 差は歴然ですが、編集部もなんとかトゥ部分を光らせることができました
お話を聞いたのはこの人!
コロンブスシューシャイニスト 三橋弘明さん
有名婦人靴ブランド、靴専門商社、高級紳士靴専門店、大手百貨店紳士靴売り場勤務をするかたわら、靴の磨きや仕上げを独学で学びその成果が認められ販促活動などに採用される。
2012 年に 株式会社コロンブス入社。シューシャイニストとして靴のカスタマイズを担当。 なんと、スエードなどの起毛素材でさえ、輝かせることができるというコロンブス随一のシューシャイニスト。
今回レクチャーをしていただいた三橋氏をはじめ、コロンブスにはシューケアのスペシャリストが数多く在籍しています。そして、そんなシューケアのプロのみなさんに相談できる「シューケアイベント」が日本各地で開催されているのをご存知ですか。ぜひ、シューケアのお悩みをスペシャリストの方々に直接相談できるチャンスを利用してみてくださいね。きっと、靴のお手入れが、もっと楽しくなるはずです。
次回の松戸FACTORY見学レポート最終回は、Vol.3 「世界で評価されるジャパンメイドの誇り編」です。
千葉県に位置する北松戸駅近くの工業団地に、靴用品メーカー<コロンブス>の松戸FACTORYがあります。ここは、コロンブスが展開するすべての靴クリームを生産している重要な拠点です。靴クリームの原料となるワックスの選定から梱包、検品、出荷を一括して行っているだけでなく、FACTORY内には研究・開発部門である「松戸LABO」も設置されています。 今回、アイレット編集部が松戸FACTORYへご招待いただきました。そこで、靴のお手入れに使っている靴クリームやワックスがどのように研究開発され、生産しているのか、しっかり見学させていただきましたので、3回にわけてレポートしたいと思います。
どのような工程で靴クリームがつくられているのか、順を追ってみていきましょう。
ワックスの選定
カルナバヤシから採れる植物性のカルナバワックスを中心に、動物性のミツロウ、鉱物性ワックス、合成ワックスなどをブレンド。 商品の特性や素材への作用を考慮した比率で配合しています。 その研究開発をする部門「松戸LABO」もFACTORY内に設置。靴クリームのスペシャリスト達が日々研鑽を積んでいます。
乳化
ワックスや界面活性剤を120℃で溶かします。そして、数回に分けて水を加え、乳化させます。乳化する過程では温度管理が大切。どの温度で水を加えるかが、クリームの柔らかさを左右するため、細心の注意を払って作業を行っています。
充てん前検査
靴クリームなどをつくったら、必ず容器に充てんする前にテストを行います(充てん前検査)。チェック項目は、色や艶、粘度など。それぞれの項目を数値化して、基準値と比較します。また、数値だけに頼るのではなく、人の目でも色味の違いなどをダブルチェック。 一つでも差異のある製品を市場に出さないためのチェック体制を整えています。
充てん
厳正なテストを終えたら、いよいよ靴クリームを容器に充てんします。ガラス容器を採用した製品の場合、なんと人の手によって、一つひとつ充てんするというこだわりよう。さらに、完成した製品をもう一度検査。既定の容量を満たしているかをチェックします。
梱包・出荷
コロンブス製品は、機械詰めのリキッドでも、手作業で詰める靴クリームでも、最終的には人の手を介して、梱包・出荷をしています。
コロンブス製品の生産現場を訪れて、まず驚いたのが品質へのこだわりです。
そして、安定して製品を供給するための仕組みは、松戸FACTORYにそのノウハウが凝縮されています。
さらに、品質へのこだわりとともに感じるのが、人の心に訴えるような心遣いです。
例えば、プレミアムシューケアラインの「Boot Black(ブートブラック)」。
この製品は、靴クリームの充てんに加え、ラベル貼りも手作業で行います。
その理由は、充てん時に2回にわけて流し込むと、靴クリームの蓋を開けた時に、表面が平らできれいに見えるから。
ラベルの手貼りは、製品ロゴの入った蓋を閉めた時に、瓶の方のロゴのラベルの位置とあわせるためです。機械ではできない血の通った心遣いを感じました。
基準外の製品を一つでも市場に 出さないチェック体制
靴クリームの中身の品質を デジタル値にしてチェック
すべてを機械まかせにしない 手作業の良さを生かす生産体制
既存製品の改善や新製品開発の 取り組みに対する攻めの姿勢
次回の松戸FACTORY見学レポートはVol.2 「コロンブスが誇るスペシャリストに学ぶお手入れ編」です。お楽しみに!