西武渋谷店では、試行錯誤の上、完成した新木型を使ったプレーントゥを初披露。
池袋本店では、クラス感のあるドレスシューズのパターンオーダー会に、貴重な1点物を販売。
2016年11月と12月に都内2か所の西武百貨店で靴職人の津久井玲子さんによる<レコット(LECOTT)>のイベントが行われました。
開催日から時間が経ってしまいましたが、アイレット編集部がこのイベントを取材させていただけましたので、西武渋谷店で行われた「新木型お披露目会」を軸に、レポートいたします。
About LECOTT
改めて、<レコット>についてご説明しておきましょう。
フルオーダーからハンドソーンウェルテッド製法を主体とした既製品を展開する女性靴職人・津久井玲子さんによるオリジナルブランドです。
丸ごと1足をすべて津久井さんがお一人で仕上げていて、そのクオリティ、履き心地の良さは群を抜いています。
その既製品を常時取り扱っているのが、西武渋谷店。
さらに、年に数回トランクショーを開催し、フルオーダーやパターンオーダーを受け付けています。
※フルオーダーのみ、<レコット>のアトリエでオーダー可能です。
また、西武池袋本店でも2015年からパターンオーダー会を開催しているのは、アイレット読者の方ならご存知かもしれませんね。
常時既製品を展開している西武渋谷店。
西武池袋本店で開催されたパターンオーダー会。
では、まず、渋谷店の「新木型お披露目会」から。
Shibuya Report
渋谷店で「新木型お披露目会」が行われたのは、2016年11月6日(日)。
以前、取材レポート「西武渋谷店リニューアル1周年を記念!靴職人・津久井玲子さんによる<LECOTT(レコット)>がパターンオーダー会&一点物販売」を8月に掲載してから、およそ3か月弱。
当時の記事でも触れている新木型による新作プレーントゥがようやく完成となりました。
この木型の完成に至るまでの試行錯誤は推して知るべし。
長年温めてきた木型は、ほど良いボリューム感がありつつ、<レコット>らしいエレガントさがあいまって、大人が履きたいカジュアルシューズになっています。
ページトップへ戻る
About New Last Presentation
今回、新たな新作が加わったのですが、お披露目会で発売された新作はワンサイズにつき1点ずつ。
それゆえ、<レコット>ファン注目のイベントとなりました。
ズラリと店頭に並ぶ<レコット>の靴。新作は左上の2足です。目を惹く靴ですよね。
NEW MODEL REVIEW
ギミックが効いたコンビモデルに 貴重な革「ゾンタ(ZONTA)」を採用した色鮮やかなモデル

この写真の2点がいずれも新木型を採用した新作です。
随分イメージが異なっていますよね。
左のモデルはアイボリーのスムースレザーに、レースステイ部分をベージュのスエードにしたモデル。コンビ使いがポイントになっていますね。
右のモデルは、イタリアのタンナー・ゾンタ社のカーフを使用したモデル。
なにしろ発色良く、良質な革で、靴職人も注目する素材です。
※以前のレポートで<クレマチス>の高野圭太郎さんが同じ革を使っていらっしゃいました。すごい偶然です!!
そして、このお披露目会で偶然お会いしたAさんにご協力をお願いし、アイレット編集部員とともに新作を履いていただきました。
日頃から<レコット>ご愛用のAさん。足元に靴がバシッとハマッていらっしゃいます。
実は踵部分の革は上から被せられています。
それによって、サドルシューズのようにも見えますね。
こちらはアイレット編集部の足元。ネイビーのデニムに足元が映えています。
赤は目立つ色ですが、ゾンタは味わいのある革で悪目立ちしません。

最後に並んでパチリ。カジュアルだけれど、カジュアル過ぎない大人の足元になっていますよね。
ページトップへ戻る
About <LECOTT>SEIBU SHIBUYA COLLECTION
せっかくですので、渋谷店で常時展開している<レコット>のモデルをご紹介します。 いずれのモデルも九分仕立てなので、美しさに加え、履き心地の良さも備えていますよ。
<レコット>に興味をお持ちの方は、売場で実物をチェックするのもおすすめです。
Wing Tip
よく見るとブラック×ブラウンのウィングチップ。1足あると、コーディネートの幅を広げてくれそうです。
Straight Tip
ウエスト部分が絞り込まれたストレートチップ。足がスラッと見えそう!
Wing Tip
ベージュスエードが優しい雰囲気のウィングチップ。メダリオンが美しい1足です。
Slip-on
サイドエラスティックになっているスリッポン。フロントのV字や屹立した踵のデザインがおもしろいですね。
W-monk
艶っぽいバーガンディーのシボ革をつかったダブルモンクストラップ。
Boot
シックでエレガントな雰囲気のモンキーブーツ。
ページトップへ戻る
Editor’s Voice
これまでにも<レコット>のイベントについて、アイレットで何度か取り上げさせていただいてきました。
そして開催されているイベントに伺って思うのは、いつもお客さまが楽しそうに靴を履いていらっしゃるということ。そして、本当に靴がお好きな方が多いということ。
渋谷店でのお披露目会では、靴好き歴●十年というAさんと偶然にもご一緒でき、<レコット>の靴を履かせていただけたのが感慨深かったです。
しかも、Aさんにはこのレポートのモデルにまでなっていただき、本当に感謝しています。(Aさん、ありがとうございました!)
このように、靴のイベントではファン同士が交流でき、靴談義を深められるのも楽しみのひとつですね。
Aさんと並んでアイレット編集部が靴を試着しているところです。津久井玲子さんがジッと見守ってくれています。
イベント当日にAさんが履いていらしたAさんの<レコット>。経年変化でさらに味わいがでていますね!
ゾンタの靴を履いたアイレット編集部員引きの写真。コーディネートの中に靴が溶け込んでいます。
ページトップへ戻る
次は、池袋本店のイベントレポートです。
Ikebukuro Report
池袋本店で「パターンオーダー会および1点物販売会」が行われたのは、2016年12月10日(土)・11日(日)。
昨年は、イベント開催前に取材をさせていただき、取材レポート「靴職人・津久井玲子氏による<LECOTT(レコット)>が西武池袋本店初のパターンオーダー会を開催」として掲載しています。
このイベントは、池袋本店のためにつくりあげた普遍的な魅力を持つ5つのドレスシューズのパターンオーダー会。
あわせて、貴重な1点物の販売も。
5つのパターンオーダーモデルがディプレイされたショーウィンドウ。シックな雰囲気に<レコット>のイメージカラー・オレンジが映えています。
1点物の既製品。独特なデザインなどレアなモデルも。
1点物のバリエーション。サイズが合ったら、ラッキーかも。
パターンオーダーできるモデルは、渋谷店と池袋本店で異なります。
池袋本店でオーダーできるのは、全く奇をてらわずにオーソドックスで普遍的なスタイルに挑戦した5つのモデルです。
池袋本店用のパターンオーダーモデルとして、試行錯誤の上、完成されたドレスシューズ。美しさもさることながら、オーラが漂っています。
そして、既製の1点物。
実は、そのイベント毎に新しくつくられているモデルがあります。
今回のイベントでは、気軽に履けるスリッポンがお目見え。
上の写真のようなオーソドックスなドレスシューズとは異なり、津久井さんの感性の豊かさが生かされたデザインです。
今回のイベントに合わせてつくられた1点物の既製品。
こちらも1点物。軽やかな履き心地のハンドマッケイでつくられています。
こういったイベントでは、津久井さんの確かな技術力や感性、創造力を感じていただけると思います。
最後に、アイレット編集部が尊敬する池袋本店の名物スタッフで靴愛に溢れる石川隆さんに<レコット>の魅力をお伺いいたしました。
職人として培ってきた技術や、靴づくりに真剣に向き合ってきた経験が、目に見えない部分も含め、靴の完成度に表れています。
美しい出来栄えに履き心地も備えた<レコット>。
フルオーダー・パターンオーダー・レディメイドの中から、お好みのスタイルでお愉しみください。
池袋本店では、<レコット>のフルオーダー・パターンオーダー・1点物のレディメイド(既製靴)のオーダーラインナップをご用意しています。
ラインナップそれぞれに魅力があるわけですが、そのベースにあるのは、津久井玲子さんの職人としての確かな技術、感性、発想力に加え、真剣に靴づくりに向き合ってきた経験です。
津久井さんは、素材の手配から、釣り込み・仕上げまですべて一人で手掛けています。 いわば、靴1足を一人でつくりあげていて、その靴には津久井さんの想いがしっかり籠っています。その想いも含めて魅力につながっているのかもしれません。
フルオーダーは、お客様のご要望を聞いて、自分のアイデアを提案しつつ、お客様が満足する靴をつくりあげるものです。
1足ずつつくりあげるものですので、メーカーとは違って、1足分しか調達できないような貴重な素材を使ったりと、津久井さんは柔軟な靴づくりをしていると感じています。
どちらかというと、商売は度外視してでも、お客様に喜んでいただくことを重視しているように思えるほどです。
そして、パターンオーダー。
池袋本店では、2015年から展開を開始しました。
その魅力は、納得いくまで、約5年という時間をかけてつくり上げた5つのドレスシューズに集約されています。
シンプルでオーソドックスなスタイルにこだわり、目に見えない部分まで完成度の高い美しいシルエットのモデルができあがりました。
これらの靴は、一見何の変哲もないデザインのように思えますが、ベーシックでシンプルなデザインだからこそ、職人の腕の確かさが求められます。
完成までにかかった5年という期間は、津久井さん自身が納得のいく靴をつくりたいという強い気持ちを持っていたからこそ必要な時間だったと思っています。
そして、1点物のレディメイド。
フルオーダーで培ってきた津久井さんの感性で、イベント開催に合わせてつくっていただいているモデルを含め、バリエーション豊かなモデルをご用意しています。
1点物は、オーソドックスなパターンオーダーモデルとは異なり、カジュアルなモデルが多いのが特徴です。
ただし、もちろん仕立てのクオリティは高く、比較的価格を抑えてご提供していますので、サイズが合えばラッキーなお宝アイテムとも言えます。
いずれも魅力がたっぷりと詰まっていますので、イベントにお越しいただき、実際に靴をお試しいただくのが一番ですね。
2017年、今年もイベントの開催が楽しみです。
その際は、またしっかりとレポートさせていただきます!
ページトップへ戻る